弁護士の仕事道具(弁護士 寺林智栄)

  • 2020.02.28 Friday
  • 15:56

みなさん、こんにちは。

弁護士の寺林智栄(てらばやしともえ)と申します。

現在弁護士13年目です。

 

北千住パブリック法律事務所は、元々刑事事件専門の公設事務所として開設され、現在もその色合いを濃く残しております。弁護士コラムを見ても、硬派な刑事弁護人的な投稿が多いようです。

そんな中、私は、持ち事件の中で、離婚をはじめとする家事事件の割合が非常に多く、「北パブ家事班」を自称しております。

 

そんな私ですので(?)、今日は、刑事事件から離れて、弁護士の仕事道具、とりわけ私の仕事道具についてお話ししたいと思います。

 

当事務所の弁護士に限らず、弁護士の多くは常に多数の案件を抱えており、追われるように仕事をしております。

仕事を要領よくさばいていくためには、効率化できるところはできるだけ効率化し、すぐに対応できる簡単なものはなるべく早めに対処し、「ためない」ことが大切です。

 

では、そのために、どんな仕事道具が必要なのでしょうか?

 

みなさん頭に思い浮かべるのは、ノートパソコンではないでしょうか。

外出先でも仕事ができるようにするために、軽量のノートパソコンを常に持ち歩き、ちょっとした暇を見つければ、ぱちぱちキーをたたく。そんなイメージをお持ちの方もいるかもしれません。

 

実際、当事務所の弁護士の多くは、常にノートパソコンを持ち歩き、暇があればそれを開いて仕事をしております。

 

私は、実は、パソコンは外出先での待ち時間が長いときしか持ち歩きません。

元々書面は腰を据えてじっくり書きたい方なので、外出先では落ち着かないのです。

外出先で書面仕事を難なくこなせる弁護士は、すごいなあと感じますが、自分はとてもまねできません。

 

その代わりといってはなんですが、私は、仕事道具として、スマホ・ガラケー・スマホに入っているスキャナアプリの3つを重視しています。

これらは、「たまりがちな雑事をためないようにするため」に必要不可欠なアイテムです。

 

多くの案件を抱えると、電話やメールでの連絡や問い合わせも多くなります。

外出先だから、事務所に帰ってからお返事しようと思うと、遅くなってしまうことも少なくありません。お返事をするのが遅れると、信用を落としてしまうかもしれません。また、お返事を返すのが、だんだん億劫になってきます。

ですので、外出先・移動中に、電話できるところにはしてしまう、メールの場合には返信してしまうことが重要になると考えています。

なので、私は、メールチェックがいつでもできるようにスマホを常に持ち歩き、仕事用の携帯電話を手元に置いているのです。

 

また、スキャナアプリは、複数の弁護士で1つの事件、特に刑事事件を担当しているときに役立ちます。

ひとりで被疑者被告人と接見した際にとったメモを、弁護人間で共有するときに、スキャナアプリがあれば、すぐにPDFのデータにすることができ、メールで送ることができます。

 

もちろん、接見をしながらパソコンで詳細なメモを取ることができればそれが一番いいのでしょうが、残念ながら私はそういう作業は苦手で、メモは手書き派です。

そして、手書きのメモをいちいちパソコンで打ち直す時間は、同じ作業を2度やることになるので、非常にもったいないものです。

 

時間がなくて打ち直しするのが遅くなると情報共有も遅れてしまいます。

ですから、できるだけ詳細なメモを接見時にリアルタイムで取って、それをアプリでスキャンし、メールで一緒に事件をやっている弁護士に送ってしまうのです。

 

私が北千住パブリック法律事務所に入所してから1年3か月が経ち、受け持つ案件もかなり多くなってきました。

先に書いたような道具を用いて自分なりに工夫をしていることによって、今のところ、たまりがちな連絡報告をためないで済んでいます。

おかげで事務所で来客がないときには、腰を据えて書面を書く仕事に多くの時間を割くことができているように思います。

 

今後も持ち事件数は増えていくでしょうから、今お話ししたような効率化は、ますます大切になってくることでしょう。

そのために使い勝手の良い仕事道具があるのであれば、この先も、柔軟に取り入れていきたいと思っています。

勾留理由開示に「出てこない」裁判官(弁護士 小林英晃)

  • 2020.02.26 Wednesday
  • 10:00

勾留理由開示というものがある。被疑者は、逮捕されると、通常、その後最大20日間、警察署で身柄を拘束される。この最大20日間の身体拘束が勾留である。勾留は、検察官の請求により、裁判官が決定する。

 

勾留理由開示とは、裁判官に対して、この勾留を決定した理由を問うことができる手続きである。

 

被疑者を勾留するのは、主に、被疑者が証拠を隠滅したり、逃げたりしないようにするためである。検察官が請求すれば、裁判所はほとんど勾留を認めている。

 

しかし、弁護人として、この人を勾留する必要などないではないかと感じることは多い。隠滅できる証拠もないし、逃げようもない。それなのに20日もいたずらに拘束されてしまう。

 

そこで、当の裁判官に対して、なぜこの人を勾留しなければならないのか、その理由を問うのが勾留理由開示の手続である。

20日間どこにも行けず、電話もメールもできない。ひどい時には(弁護士以外とは)面会も手紙もダメ。家族と会う事すら許されない。それ自体重大な人権制約である。

 

正当な理由もなく、このような制約が許されるはずもない。拘束される側からしてみれば、それだけのことをするなら理由を教えろ、というのは至極当然である。

なお、無論こうした人々の中には、無実の罪で拘束されている人たちも含まれる。

 

勾留の理由の開示がいかに重要なものであるかは、勾留理由開示が憲法に規定されていることからもわかる。

 

しかし、この勾留理由開示の手続では、(地域によっても異なるようであるが、)度々、勾留を決定した当の裁判官が出てこないことがある。

 

勾留理由開示は、公開の法廷で行われる。しかし、ここに、無関係の裁判官が現れて、なぜ勾留の理由を答えられるのか、疑問である。

 

勾留理由開示の法廷で、裁判官にこの疑問をぶつけてみたところ、返ってきた答えは、「裁判所としては、勾留理由を開示する裁判官は、勾留を決定した裁判官でなくてもよいという見解に立っています。」というものであった。(なぜその見解が妥当なのかについての回答は得られなかった。)

 

そこで、理由開示を担当する裁判官に、理由開示を担当するにあたって、勾留を決定した裁判官に事前に勾留理由を確認したのか、と尋ねたことがある。

 

複数の裁判官が、これに対して「答える必要がありません。」という趣旨の回答しかしなかった。事前確認をしたかどうかを明らかにできない理由はないであろうから、事前確認すらしていないということなのだろう。

 

勾留理由開示において、建設的な理由開示がなされることは残念ながら多くないと認識しているが、無関係な裁判官が(事前確認もなく)担当するのであれば、ある意味それも当然といえる。

 

勾留というのは、それ自体重大な人権制約である。裁判官にとっては、何十件何百件のうちの一件に過ぎないのかもしれないが、拘束される本人にとっては文字どおり人生を左右する。

理由もなく人を拘束することが許されるはずもない。

 

裁判官にも諸々事情はあろうが、仮にも勾留を正当とするならば、勾留を決定した裁判官自ら理由開示の場に立ち、どのような質問にも可能な限り丁寧に回答し、その勾留に正当な理由があることを示すくらいのことはしてもらいたいと思う。

 

それすらできないのであれば、そもそも勾留などすべきではないのだろう。

駅からの道順(弁護士 諸橋仁智)

  • 2020.02.25 Tuesday
  • 14:41

当事務所までお越しの際は、北千住駅(JR、東武線、TX)の西口2階デッキからマルイ脇の道をお通りください。
地上1階からの道順よりも、2階デッキからの道順のほうがおすすめです!
 
事務所HPの「アクセス」ページは、分かりづらいとのご意見がありました。
http://www.kp-law.jp/access/
 
そこで、
北千住駅から事務所までの道順動画を作成しました笑
 

 
千住ミルディス業峇曚裡崖に到着しますので、エレベーターで6階までお越しください。
 
法律相談のご予約受付ています!
http://www.kp-law.jp
 
弁護士 諸橋仁智

謝罪や反省すれば刑が軽くなるの?(弁護士 舛田正)

  • 2020.01.20 Monday
  • 09:24

刑事裁判で、被告人が、被害者に対する謝罪や、罪を犯してしまったことの反省を述べることがあります。

では、裁判官や裁判員に向かって、「謝罪」や「反省」の言葉を述べれば、それだけで刑が軽くなるのでしょうか?

 

結論から言うと、多くの場合、「言葉だけではダメ」です。

 

それは何故か。以下、ご説明します。

 

まず、謝罪についてですが、被害者にとっては、謝罪の言葉の内容どうこうより、受けた被害が少しでも回復されることが重要であることが一般的です。

 

したがって、例えば傷害罪であれば、傷害の治療費を支払っているか、詐欺罪であれば、だまし取った金額を弁償しているかなど、被害者が受けた損害がどれだけ回復されているかの方が謝罪の言葉よりも断然重要です。

 

損害賠償の努力をせずに、しかも賠償できる経済力等はあるのに、これをせずに土下座しようが号泣しようが、裁判官や裁判員にはまず響きません。

それどころか、「自分は何の負担もせずに、刑を軽くしようとする身勝手な人」と見られて、むしろ悪い情状と評価される可能性すらあります。

 

逆に、損害を賠償しようとできる限りの努力をしていれば、仮に全額賠償できなかったとしても、「真摯な努力」をしているとして、相当程度良い情状として評価されることが多いです。

例えば、被害者の損害は100万円ですが、被告人が自分の貯金を絞り出しても、金融機関や身内、友人知人から借金しても、どうしても80万円しか用意できなかったとします。

全額ではないので、被害者は示談してくれず、受け取ってもくれないかも知れません。しかし、今できる限りの努力をしたと評価されれば、「真摯な謝罪の意思がある」と評価され、良い情状とされることが多いでしょう。

 

 

 

反省の場合も同じで、裁判官は、「反省しています。もう二度とやりません。」という言葉だけでは、ほとんど評価しません。何故なら、起訴されて罪を認めている人なら、ほぼ全員同じことを言うからです。

「反省だけならサルでもできる」という昔のCMがありましたね(平成生まれの方はわからないかもしれませんね…。)。

 

裁判官や裁判員に評価してもらうためには、「犯罪に至った原因を分析し」「その原因を除去する対策を講じて実行している(あるいは実行できる体制が整っている)」ことを示す必要があります。

 

例えば、路上生活で、その日食べる物にも困って万引き(窃盗罪)をしてしまったという事件で、「反省してます。強い決意で、もう二度と万引きはしません!」と法廷で誓ったところで、路上生活から脱しないとほとんど意味はありません。

ですので、このようなケースであれば、生活保護を受給して住居と収入を確保するなどの対策を講じ、「もう食べる物には困らないので、万引きはしません。」と述べれば良い情状となるでしょう。

 

以上のとおり、「謝罪」と言っても具体的な行動が伴わないといけませんし、「反省」と言っても原因の分析・再発防止策が伴わないと説得力がありません。

 

また、上記で例示したように、具体的にどのような行動等をおこなえば良い情状として評価されるかは、事件の類型やご本人の状況によって異なります。

 

したがって、せっかくの「謝罪」や「反省」を無駄なものにしないためには、なるべく早く弁護士にご相談いただくことが肝要です。

 

示談や、反省に限らず、刑事事件のお問い合わせの際は、こちらからご連絡ください。

http://www.kp-law.jp/inquiry/index.html

刑事弁護のスタンダード(弁護士 佐々木良太)

  • 2019.12.27 Friday
  • 09:20

最近,「刑事弁護のスタンダード」について考えることがあります。

ここでいう「刑事弁護のスタンダード」とは,刑事事件を担当した弁護士の活動として一般的にあるべき水準というほどの意味です。

 

刑事弁護に関する代表的な書物には,次のようなことが書かれています。依頼者が犯罪事実を否定している場合はもちろん,そうでない場合も原則的に黙秘を勧めるべきである。黙秘を勧めた以上は少なくとも本人が捕まった当初は本人に毎日会いに行くべきである。捜査機関が作った供述調書に対しては,証拠とすべきではないという意見を述べるのを原則とすべきである。被告人質問はいわゆる先行方式を求めるべきである。法廷で事実を主張したり証拠を議論したりするときは,法廷の中心に立って,原稿を読まずに,裁判官や裁判員の方を向いて行うべきである。これらを行うことこそが,依頼者の利益を最も守ることになると。

私が弁護士になる前に入所していた司法研修所でも同じことを学びました。弁護士になってから受けた研修でも,同じことを学びました。

そして,北パブでも,先輩弁護士は当然のように上記の諸活動を基本としていました。

ですので,私にとっての「刑事弁護のスタンダード」は,上記の諸活動を基本とすることです。

 

しかし,世間一般的に上記の諸活動が当然のものとして行われているかというと,必ずしもそうではないのではないか,ということを最近思います。本人が犯罪事実を否定している場合でも黙秘の助言がなされないことが実際には珍しくはないということや,被告人質問の先行方式もなかなか求められない,ということをしばしば耳にします。また,自分が司法修習生のとき裁判所で傍聴した法廷を思い出してみると,私が見た弁護人はすべて,紙を手に持って,事実の主張や証拠の議論をしていました。

 

もしかしたら,あるべき「刑事弁護のスタンダード」と,実際の一般的な刑事弁護の姿とは,隔たりがあるのかもしれません。

 

私は来年から,あるべき「刑事弁護のスタンダード」が当然のように行われていた北パブを離れ,赴任地に赴任します。

北パブを離れても,「刑事弁護のスタンダード」を常に意識して,そこから目を離さず,まっすぐに向き合っていきたいと思います。そのために,日々の研鑽を怠らず,何が依頼者の利益に最も適うのか,ということを常に考え続けなければならないと思う今日この頃です。

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